小児喘息発作の治療
2005年12月〜2008年8月
喘息発作の定義
従来どおり、笛声喘鳴(ピーピー、ヒューヒュー)を伴う、発作性の呼気性呼吸困難とする。
小発作
動き:普通に遊ぶ。
睡眠:良く眠る。
会話:普通に話をする。
食事:普通に食事する。
その他:ヒューヒューという音が聞こえる。
参考:呼吸数は、正常ないし、やや増加。Spo2 96%以上
小発作時の対処
1)吸入 メプチン 0.1〜0.3cc (BW 10kg 0.1cc、 20Kg 0.2cc)
ビソルボン 1cc〜2cc
吸入後15〜30分後、咳、喘鳴、陥没呼吸がほぼ消失し、呼吸数、生活の状態が正常に戻ると、帰宅。
参考:Spo2は97%以上。
反応不十分のときは、再度吸入。
なお反応が悪いか、中発作へ移行したときは、中発作に対する治療を行う。
中発作
動き:動きが悪い。
睡眠:夜中に何回か目を覚ます。
会話:話しかければ返事をする。
食事:食欲が落ちる。
その他:小発作と大発作の中間。
参考:呼吸数、脈拍の増加がみられる。鼻翼呼吸や、陥没呼吸などの努力性呼吸が認められる。Spo2は92-95%
中発作時の対処
1)吸入 メプチン 0.1〜0.3cc (BW 10kg 0.1cc、 20Kg 0.2cc)
ビソルボン 1cc〜2cc
吸入後15〜30分後、咳、喘鳴、陥没呼吸がほぼ消失し、呼吸数、生活の状態が正常に戻ると、1時間観察し、ほとんど無症状であれば帰宅。
Spo2 95%未満のときは、酸素吸入を考慮する。
反応不十分なら、20-30分後再度吸入。
3回まで吸入可。
追加治療:ソリタT3 200mlにネオフィリンとサクシゾンを混じて1時間で点滴する。
ネオフィリン (10cc=250mg):(参考テオフィリン血中濃度は8〜15μg/mlを目安)
#テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用していない場合
ネオフィリン5mg/KgをソリタT3 200ccに混ぜ点滴
#テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用中
ネオフィリン1.6mg/KgをソリタT3 200ccに混じ点滴
注意;けいれん既往者、中枢神経疾患者はネオフィリン禁とす。(けいれん誘発の危険あり)
テオフィリン血中濃度を測定した場合のネオフィリン投与量は目標テオフィリン血中濃度を10μg/mlとして
(10μg/ml-テオフィリン血中濃度μg/ml)x体重Kgx2=投与ネオフィリン量mg
(1mg/Kgのネオフィリン投与は2μg/mlテオフィリン血中濃度を上昇させる見込み)
サクシゾン 2.5mg〜5mg〜7mg/Kgを点滴に混ずる。
呼吸数、心拍数が正常化し、喘鳴が消失し、Spo2 96%以上なら、しばらく観察後帰宅可。
症状進行し、Spo2 91%未満、起座呼吸、チアノーゼ出現などみられたら、入院加療。
大発作:時間外救急患者は小児科医呼び出し。
動き:動くどころでない。
睡眠:起座呼吸。
会話:話しかけても返事ができない。
食事:食事ができなくなる。
その他:息苦しく、唇は紫色になる。
参考:喘鳴が著名となり、呼気時間の延長、呼吸数や脈拍数の増加あり。ときにチアノーゼ。Spo2 91%以下。
血液ガス分析必要。Paco2 41mmHg以上。Pao2 60mmHg以下。pH3.75以下が多い。
大発作の治療 :入院必要
酸素投与下でのアスプール吸入.。(酸素テント24%から〜Spo2 95%確保、、50倍アスプール超ネブ口許持続あるいはフェイスマスク使用。:アスプール4ml,生食80ml,ワッサー120ml、またはインスピロン(ジャイアントネブライザー)使用。)心電図モニター
ソリタT1 で血管確保。サクシゾン7.5-15mg/Kg/day d.i.v.
ネオフィリン d.i.v.
呼吸不全、人工呼吸管理適応基準
呼吸状態の改善無く、呼吸音の低下、喘鳴の現弱認める
傾眠〜昏睡
じゅうぶんな酸素でもPao2が60mmHg未満
Paco2 65mmHg以上または1時間に5mmHg以上、上昇
入院治療の適応
大発作
中発作でも2時間の外来治療で改善しない
中発作が前日から持続
中発作でも、重篤な発作の既往者
乳幼児
肺炎、無気肺、縦隔気」腫、皮下気腫、気胸等の合併
長期管理で改善ないもの
参考文献:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005、日本小児アレルギー学会作成、協和企画
喘息発作時の治療の概略http://kidskenkou.web.fc2.com/kyuukyuugairai/kyuukyuugairai3.htmlから
1)吸入 メプチン 0.1〜0.3cc (BW 10kg 0.1cc、 20Kg 0.2cc)
ビソルボン 1.0cc
2)ネオフィリン (10cc=250mg)
#テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用していない場合
ネオフィリン5mg/KgをソリタT3 200ccに混ぜ1時間で点滴
#テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用中
ネオフィリン1.6mg/KgをソリタT3 200ccに混じ1時間で点滴
テオフィリン血中濃度を測定した場合のネオフィリン投与量は目標テオフィリン血中濃度を
10μg/mlとして
(10μg/ml-テオフィリン血中濃度μg/ml)x体重Kgx2=投与ネオフィリン量mg
(1mg/Kgのネオフィリン投与は2μg/mlテオフィリン血中濃度を上昇させる見込み)
3)サクシゾン サクシゾン5mg/Kg前後を上記点滴に混ぜる。
小発作 | 中発作(病状により入院加療) | 大発作(入院) |
---|---|---|
1)吸入 メプチン 0.1〜0.3cc (BW 10kg 0.1cc、 20Kg 0.2cc) ビソルボン 1.0cc |
左記吸入回数の追加または下記へ。 50倍アスプール口許持続または フェイスマスク使用 アスプール4ml 生理食塩水80ml ワッサー120ml 心拍160以上で一時中断す 酸素テント25%〜 Spo2 96%以上維持 |
酸素投与下でのアスプール吸入.。(酸素テント使用時、25%から〜Spo2 95%確保、、50倍アスプール超ネブ口許持続あるいはフェイスマスク使用。:アスプール4ml,生食80ml,ワッサー120ml、またはインスピロン(ジャイアントネブライザー)使用。)心電図モニター |
追加処置:ネオフィリン (10cc=250mg) #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用していない場合 ネオフィリン5mg/KgをソリタT3 200ccに混ぜ1時間で点滴 #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用中 ネオフィリン1.6mg/KgをソリタT3 200ccに混じ1時間で点滴 テオフィリン血中濃度を測定した場合のネオフィリン投与量は目標テオフィリン血中濃度を 10μg/mlとして (10μg/ml-テオフィリン血中濃度μg/ml)x体重Kgx2=投与ネオフィリン量mg (1mg/Kgのネオフィリン投与は2μg/mlテオフィリン血中濃度を上昇させる見込み) |
ネオフィリン (10cc=250mg) #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用していない場合 ネオフィリン5mg/KgをソリタT3 200ccに混ぜ1時間で点滴 #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用中 ネオフィリン1.6mg/KgをソリタT3 200ccに混じ1時間で点滴 テオフィリン血中濃度を測定した場合のネオフィリン投与量は目標テオフィリン血中濃度を 10μg/mlとして (10μg/ml-テオフィリン血中濃度μg/ml)x体重Kgx2=投与ネオフィリン量mg (1mg/Kgのネオフィリン投与は2μg/mlテオフィリン血中濃度を上昇させる見込み) サクシゾン サクシゾン5mg/Kg前後を上記点滴に混ぜる。 <持続点滴> aminiphyrin持続点滴;6ヶ月以上1歳未満:0.01x週数+0.25mg/kg・時 たいていサクシゾン7.5〜15mg/Kg/day 併用。24時間持続点滴で。 1〜10歳:0.7〜0.8mg/Kg/h 翌日テオフィリン血中濃度をチェック。 |
ソリタT1 で血管確保。サクシゾン7.5-15mg/Kg/day d.i.v. ネオフィリン d.i.v.左記。 <持続点滴> aminiphyrin持続点滴;6ヶ月以上1歳未満:0.01x週数+0.25mg/kg・時 たいていサクシゾン7.5〜15mg/Kg/day 併用。24時間持続点滴で。 1〜10歳:0.7〜0.8mg/Kg/h 翌日テオフィリン血中濃度をチェック。 |