あかちゃんの便秘
2005年3月

 あかちゃんの便の回数や、性状はかなりの個人差があります。健康で、体重も順調に増えているときの便が、そのあかちゃんの正常便です。1日1回の規則正しい排便でないこともあるし、便の硬さもいろいろです。母乳栄養のとき、数日排便のないこともよくあるといわれますが、逆に1日何回ものべちゃべちゃ便のやわらかい排便のため、ちょっと油断すると、おしりが赤くなってしまうばあいもあります。
  一週間以上も排便のないことがたびたびだったり、おなかがはって痛そうに泣いたり、くるしそうだったり、便の先端が硬くて、肛門裂傷をおこして出血したりといったことがあった場合は、小児科を受診して相談するといいでしょう。3日以上排便がなく、排便の際に排便困難がある(硬便で排便痛を伴い、便に血液が付着するなど)ときは便秘という考えもあります。
 便秘で病気がみつかることもありますが、その頻度は低いと思っていいでしょう。比較的知られているものに巨大結腸症(ヒルシュスプルング病)があります。大腸の一部分のアウエルバッハ神経叢などが欠損し、神経節細胞が先天的に欠如するため、その部分の大腸がちじんで狭小となり、口側の大腸が拡張して、ガスがたまっておなかはパンパンになります。少量の便がちびちびと排泄され、便秘と判断されます。
 ほとんどの便秘は機能性便秘といって、病気ではない、習慣的なものです。離乳食が始まっているときは、食物繊維の多い野菜(根菜)、じゃがいもやさつまいも、ひじきなどの海藻類をあたえるようにすると、便の容量が増え、いいうんちになります。マルツエキスやプルーン果汁もためされます。
 排便させるにいつも浣腸にたよっていると、習慣になってしまい、浣腸しないと排便しないようになってしまう危険があります。浣腸は非常手段としましょう。あかちゃんがふんばってがんばっているのに、なかなかでてこないときは、めんぼうを肛門から1−2cmくらいいれてまわして刺激してあげると、うまくでることが多いです。めんぼう刺激は何回やっても、習慣にはならないので安心な手段です。
 小児科を受診すると、排便補助剤として、坐剤が処方されることがあります。坐剤を挿肛すると、通常、20−30分くらいで排便されます。坐剤も浣腸と違って、習慣にはならないので、安心して使用できます。うんちの先端だけが硬くて、そのためなかなか排便ができなく、肛門裂傷をおこして出血するといった場合、坐剤は治療開始時の良い適応になります。
 
哺乳の前におなかのマッサージを「の」の字の感じでやるのも効果的といわれます。おなかが少しへこむ程度の力加減がいいそうです。

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