救急外来における小児への一般的処置  2005.6→2005.12→2007.12



1.発熱(41度以上の発熱は、脳への影響がいわれますので、積極的に解熱させます。41度
未満の発熱のデメリットは、不快感、食欲低下、不感丞泄の増加による水分の喪失、脱水の助
長などです。水分補給に努め、最近は解熱剤は使用しない傾向がありますが、40度台後半の
発熱は下げるのが賢明です。救急外来で発熱主訴の場合、38.5度以上で使ってOKです。
熱性けいれん既往者は38度で使用。)



アンヒバ座剤(アセトアミノフェイン):10mg/Kg/回 (range10-15mg/kg/回)  8時間あける
  体重8Kg前後   アンヒバ座100mgの2/3
    10Kg前後   アンヒバ座100mg1本
    15Kg前後   アンヒバ座200mgの2/3
    20Kg前後   アンヒバ座200mg1本
    25−30Kg   ナパ0.3g頓用
    30Kg以上    ナパ0.4g頓用
     生後3ヶ月未満児の発熱は原則即入院となりますので、小児科を呼んでください。



2.けいれん
生後6ヶ月から4歳の児では熱性けいれんがほとんどですが、稀に髄膜炎、脳炎、脳症の
こともあり注意が必要です。
 # 単純な熱性けいれんの場合*
     来院時けいれんがおさまっており、意識が清明であれば解熱剤の座剤を挿入し
     帰宅させてもよいと思います。親の不安が強いようであれば入院させます。
     (1歳未満の児も入院)。
     ダイアップ座剤を使用してもいいです。量は別表。8〜12時間後に同量を追加投与。
 # けいれんが持続している場合
     ソリタT1 200ccで血管確保し、セルシン(1A=2cc=10mg)0.3mg/Kg(0.06cc/Kg)前後
     量(最大10mg))を3分くらいで静脈注射。血管確保がむずかしいばあい、次善の策と
     してダイアップ(diazepam)座剤をとりあえず挿入してください。
       (体重10Kg−ダイアップ座4mg、20Kg-ダイアップ座10mg)
       ソリタT1 200cc(2時間で点滴)血管確保し小児科を呼んでください。
       ダイアップの20分後にアンヒバ座剤使用。

       *単純な熱性けいれん〜年齢6ヶ月から4歳。熱の上がり際におこる。
                       10分以内に停止。全身性、左右対称のけいれん。
                       意識障害、麻痺を残さない。



3.気管支喘息発作(2歳未満は小児科医連絡)
  1)吸入  メプチン 0.1〜0.3cc (BW 10kg 0.1cc、   20Kg 0.2cc)
         ビソルボン 1.0cc
  2)ネオフィリン (10cc=250mg)
      #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用していない場合
        ネオフィリン5mg/KgをソリタT3 200ccに混ぜ1時間で点滴
      #テオドール(キサンチン製剤〜テルバンスなど)服用中
        ネオフィリン1.6mg/KgをソリタT3 200ccに混じ1時間で点滴
      テオフィリン血中濃度を測定した場合のネオフィリン投与量は目標テオフィリン血中濃度を
      10μg/mlとして
      (10μg/ml-テオフィリン血中濃度μg/ml)x体重Kgx2=投与ネオフィリン量mg
      (1mg/Kgのネオフィリン投与は2μg/mlテオフィリン血中濃度を上昇させる見込み)
  3)サクシゾン  サクシゾン5mg/Kg前後を上記点滴に混ぜる。
              (改善なければ入院考慮。小児科医呼び出し) 

4.診療で対応に苦慮するケースがあったら、Tel. Callで小児科を呼んでください。
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