青森県感染症週報へ                  溶連菌感染症
                                     2009年6月

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、発熱、咽頭痛、咽頭発赤、イチゴ舌が主症状である。
うがいの励行、手洗いの徹底が大事。
発症した場合、ペニシリン系抗生剤などが有効。10日間の内服が推奨されている。
抗生剤をきちんと内服していれば、発熱が無ければ24時間経過したら、登校可能。
Dick毒素を産生すると、発症2日以内に全身皮膚の潮紅がみられ、粟粒皮疹を伴い、のちに潮紅部の皮膚落屑をみる
発症一ヶ月後、免疫反応により急性腎炎を発症することがあるので、ケースにより、週1回の検尿で一ヶ月間経過観察をする。
リウマチ熱の合併は近年減少した。
溶連菌に対する発病予防抗体は産生されにくいようで、抗生剤投与が終わったあと、繰り返し罹患する場合がある。



溶連菌感染症は過去においては猩紅熱といわれた、発赤、充血の著明な咽頭扁桃炎、咽頭痛、発熱、典型的な皮疹の例が通常みられたが、最近流行しているA群溶血性レンサ球菌咽頭炎は下の写真で示すように咽頭扁桃の発赤がみられる程度で、溶連菌抗原検査は陽性反応を示す。過去の典型例と、今の流行例では咽頭扁桃所見の程度の違いはあるものの、のどを一見するだけで溶連菌感染症とわかるのが通例。


A群溶血性レンサ球菌咽頭炎のこののど写真
ほぼ全例、発熱とのどの痛みあり受診した。
このように赤く腫れたのどであれば、イチゴ舌や皮膚の発疹が無くとも、溶連菌抗原検査をすると陽性にでる。

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溶連菌抗原(+)
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溶連菌抗原(+)
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溶連菌抗原(+)
5/11
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溶連菌抗原(+)
5/11
7y
溶連菌抗原(+)
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溶連菌抗原(+)
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溶連菌抗原(+)
5/23
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溶連菌抗原(+)
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溶連菌抗原(+)

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溶連菌抗原(+)

5/28
7y
溶連菌抗原(+)
5/28
同上接近

ビクシリン700mg(30mg/Kg) 7日内服
同上例
6/10
風邪症状あり受診
溶連菌抗原(-)
6/2
5y
溶連菌抗原(+)
6/9
5y
溶連菌抗原(+)
同上

やや拡大
6/9
2y
溶連菌抗原(+)

イチゴ舌というほどでもない
口囲蒼白も無く、
同上

軟口蓋は赤く腫れて、

咽頭扁桃は撮影できず、
同上

潮紅
同上

潮紅
6/8
4y

このケースはインフルエンザB

39度台の発熱、咽頭痛あり受診
咽頭扁桃の腫れと
滲出性扁桃腺炎あり、

溶連菌抗原(-)
咽頭アデノウイルス(-)
インフルエンザ迅速診断A(-),B(+)
インフルエンザB

接近拡大
扁桃腺にlight grayの滲出物あるが、あまり写せず。

(白い反射はフラッシュの光)
6/10
2y
扁桃に軽度の滲出物
あるが、充血みられない

のどの痛みは無い

しかし、

溶連菌抗原(+)
咽頭アデノウイルス(−)
インフルエンザ迅速(−)
6/11
7y

くちびるが痛い

のどの発赤腫脹あり、
溶連菌抗原(+)

のどの痛み無し
発熱無し

4/14も溶連菌抗原(+)でパセトシン30mg/Kg 10日内服した。
6/11
7y

のどの痛みあり、クラスメイトが溶連菌数人おる。
熱無し
兄が3月と4月に溶連菌

溶連菌抗原(+)


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