広汎性発達障害(自閉症)2008.7.  アンケート作成更新2013.8.  2014.11.追記

2014.11.追記

DSM-W-TR DSM-5
通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害 神経発達障害群
広汎性発達障害PDD
Pervasive Developmental Disorders
自閉症スペクトラム障害
Autism Spectrus Disorder
自閉性障害
Autistic Disorder
レット障害 小児期崩壊性障害 アスペルガー障害 特定不能の広汎性発達障害
(非定形自閉症を含む)
自閉症スペクトラム障害
Autism Spectrum Disorder
複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥がある。以下に例を挙げると、
(1)相互の対人的-情緒的関係の欠落:対人的な接し方や通常の会話のやり取りができない。
(2)対人的相互反応で、非言語的コミュニケーション行動を用いることの欠陥。
(3)人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥。例:調整の困難、ごっこ遊びの困難、仲間への興味の欠如
重症度は社会的コミュニケーションの障害や、限定された反復的な行動様式に基づく。レベル3、レベル2、レベル1
レット障害は消えた。レット症候群に関連した自閉症スペクトラム障害あればコードする。
アスペルガー障害は消えた。アスペルガー症候群は3つ組の障害(社会性・コミュニケーション・想像力)であり、自閉症スペクトラムを網羅している?(私見)
非定形自閉症は消えた。自閉症スペクトラム障害の範疇に。
小児期崩壊性障害は何処へ?

2014.11追記

ICD-10
(なお、ICD-11は2015年完成が予定されているとのこと)
F8 心理的発達の障害
Disorders of psychological development
F80 会話および言語の特異的発達障害
F81 学力の特異的発達障害
F82 運動機能の特異的発達障害
F83 混合性特異的発達障害
F84 広汎性発達障害Pervasive developmental disorders
F84.0 小児自閉症 Childhood autism
F84.1 非定形自閉症
F84.2 レット症候群
F84.3 他の小児期崩壊性障害
F84.4 精神遅滞および常同運動に関連した過動性障害
F84.5 アスペルガー症候群
F84.8 他の広汎性発達障害
F84.9 広汎性発達障害、特定不能のもの
F88 他の心理的発達の障害
F89 特定不能の心理的発達の障害




定義・概念(文献1から)
対人関係の質的障害
言語、コミュニケーションの質的障害
興味と活動の偏り
の3つの行動特徴で定義され
年齢や発達の経過によって状態が変わっていく発達障害

合併疾患など
7〜8割に精神遅滞
3割にてんかん

結節性硬化症
脆弱X症候群
先天性風疹症候群
点頭てんかん
Coenelia de Lange症候群
Down症候群
Duchenne型筋ジストロフィー
水頭症
Angelman症候群
先天性の視覚障害
先天性の聴覚障害

男女比が4対1

脳腫瘍
ヘルペス脳炎
未治療のフェニルケトン尿症
など出生後の要因で自閉症状を呈することあり

胎生30〜32週以前の脳形成過程の障害が示唆される

症状・経過
ひとの指示を待って動く受動型
接近の仕方が奇妙な積極奇異型
人との交流がない孤立型(知的に低いと)

基本的には他人に興味、関心がない

言葉の遅れがあるか、言葉が達者でも会話が一方的で、言葉遣いや声のトーンやイントネーションが独特である

非言語的コミュニケーションの障害も乳幼児期からみられる
視線が合わない
表情変化に乏しい

場を読めない
暗黙の了解が通じない
風変わり

繰り返しや同一性へのこだわりが強い
思い通りにならないとパニック

知的に低いほど常同行動やこだわりが強い

夜泣き、入眠困難、夜驚、寝起きの不機嫌さなどの睡眠障害は発達レベルが低いほど顕著である印象がある

感覚、知覚の面では過敏さと鈍感さがある。

運動面では体の動かし方が拙劣で不器用(協調運動障害)

診断基準
3歳前後で
1.対人関係の質的障害
2.言語、コミュニケーションの質的障害
3.興味と活動の偏り
の3つがあれば、小児自閉症と診断される

DSM-W-TRによる広汎性発達障害の診断基準(文献3より簡略に改変記載した)
299.00 自閉性障害
A.(1)、(2)、(3)から合計6つ以上 (1)から2つ、(2)と(3)から1つ以上含む
(1)対人的相互反応における質的な障害
(a)目と目で見つめあう。顔の表情。体の姿勢。身振りなど、非言語的行動の使用の著明な障害
(b)仲間関係作りの失敗
(c)楽しみ、興味、達成感を他人と分かち合うことを自発的に求めることの欠如(見せる、持って来る、指差すことの欠如)
(d)対人的または情緒的相互性の欠如

(2)コミュニケーションの質的な障害;1つ以上
(a)話し言葉の発達の遅れまたは完全な欠如(身振りなどのコミュニケーションのしかたで補おうとしない)
(b)会話の著名な障害
(c)常同的で反復的な言語の使用または独特な言語
(d)ごっこ遊びや物まね遊びをしない

(3)行動、興味、活動;反復的、常同的
(a)異常なほど熱中する
(b)特定の機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわる
(c)常同的で反復的な衒奇的運動
(d)物体の一部に持続的に熱中する

B.3歳以前に始まる、以下の領域の少なくとも1つにおいて機能の遅れまたは異常
(1)対人的相互反応
(2)対人的コミュニケーションに用いられる言語
(3)象徴的または想像的遊び

C.この障害はレット障害または小児期崩壊性障害ではうまく説明できない

299.80レット障害:省略

299.10小児期崩壊性障害:省略

299.80アスペルガー障害:省略

アンケート  作成更新 2013.8.

児童生徒氏名:                 記入年月日 平成   年   月   日
だいたいの傾向:  記入者(教師、保護者、その他:    )氏名:
おおざっぱな印象でいいです。ありは○、無しは×、あるかなは?でお願いします。
                           わからない項目は空欄でお願いします。
AD(6)   DSM-W−TR参考 ○×?
(2)   No1   生来目を合わせない傾向あり
同年代の友だちをつくるのがうまくいきにくい
幼児期、見せない、持ってくることがない、指ささないなどみられた(指ささないでかわりに親の手を持ってそこに向けることもある クレーン現象:他の人間の一部をあたかも道具のように用いるという行動)
対人的または情緒的相互性が欠けている
たとえば、他人が気分を害したり、自分に対し憎しみを持ったとしても、その表情、態度などを理解する事がむずかしい。他人の微妙な顔の表情が、どんな感情をあらわしているのか、瞬時に理解することがとても難しい。「目と目で通じあう」がわからないとか、「目は口ほどに物を言う」がわからないとかいった状態。
(1) No2 幼児期、話し言葉の遅れがあった
会話がうまくいかない 長く続かない
ごっこ遊びや物まね遊びの欠如
常同的で反復的な言語の使用または独特な言語をいう
常同言語 語唱ともいい,一見意味のない言葉や言いまわしを言い続ける  コトバンク; 常同言語とは
(1) No3 なにかに強く熱中する傾向がある
特定の機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわる
奇妙な手足や体の動きをいつもする(常同的で反復的な衒奇的運動:例;手や指をぱたぱたさせたり捻じ曲げる、または複雑な全身の動き)
物体の一部に持続的に熱中する
ASP No1,No3.




治療方針
発達の評価

薬物治療;対症療法 問題行動に
    ピモジド
    ハロペリドール リスペリドン クロルプロマジンなどの抗精神病薬;情緒不安定(興奮、怒りっぽさ、衝動性)、感覚過敏、不眠など
    フルボキサミンやクロミプラミン(セロトニン作動薬);常同行動、強迫行為や自傷
    バルプロ酸やカルバマゼピン;気分安定に有効
治療教育
    TEACCHプログラム
    応用行動分析を使った行動療法
    大田のステージ分類に基づいた認知発達治療

精神療法的な働きかけの併用;高機能の自閉症児には


環境調整;母親の精神的な安定
教育環境;特別支援教育の取り組み










参考文献
1広汎性発達障害(自閉症) 金 樹英 小児内科Vol38 増刊号2006
2Q53広汎性発達障害について詳しく教えてください 川崎葉子他 小児内科 Vol39 No2, 2007-2
3<付録>DSM−W-TRによる軽度発達障害の診断基準 小児内科 Vol39 No2, 2007-2

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