チック障害2008.7.

チックとは不随意的、突発的、急速、反射性、非律動的、常同的な運動、あるいは発声が2週間以上続くものをいう(文献1)

分類(文献1)
DSM−Wではチックの持続期間と種類により分類される。
(1)一過性チック障害:少なくとも2週間以上持続し、1年以内に消失する。症状は1つまたは多数の運動性チックか音声チックの一方、あるいは両方をもつ
(2)慢性運動性または音声チック:1年以上にわたり、運動性チックまたは音声チックのいずれかを有する。
(3)Tourette障害あるいはGilles de la Tourette症候群
1年以上持続し、複数の運動性、1つ以上の音声チックの両方を有する。慢性チック障害と連動性がある。また注意欠陥/多動性障害を合併することがある。


web page 心の病気…いろいろhttp://www.ops.dti.ne.jp/~iwh/kokoro/byoki.htm#chic(文献3)からコピペタ


「DSM−W−TR」より

トウレット障害

A. 多彩な運動性チック、および1つまたはそれ以上の音声チック が、同時に存在するとは限らないが、疾患のある時期に存在し   たことがある。(チックとは、突発的、急速、反復性、非律動性、常同的な運 動あるいは発声である)
B. チックは1日中頻回に起こり(通常、何回かにまとまって)、 それがほとんど毎日、または1年以上の期間中間欠的にみられ   、この期間中、3ヶ月以上連続してチックが認められない期間 はなかった。
C. 発症は18歳以前である。
D. この障害は物質(例:ハンチントン病またはウイルス脳炎後) によるものではない。

慢性運動性または音声チック障害

A. 1種類または多彩な運動性チック、または音声チック(すなわち、突発的、急速、反復性非律動性、常同的な運動あるいは発   声)が、疾患のある時期に存在したことがあるが、両者がともにみられることはない。
B. チックは1日中頻繁に起こり(通常、何回かにまとまって)、 それがほとんど毎日または1年以上の期間中間欠的にみられ、   この期間中、3ヶ月以上連続してチックが認められない期間はなかった。
C. 発症は18歳以前である。
D. この障害は物質(例:精神刺激薬)の直接的な生理学的作用や一般身体疾患(例:ハンチントン病またはウイルス脳炎後)に   よるものではない。
E. トウレット障害の基準を満たしたことがない。

チックの診断(文献2より)

トウレット障害
疾患のある時期に多彩な運動性チックとすくなくとも1つの音声チックの出現

一日中頻回におこり、ほとんど毎日、または1年以上の期間中間欠的にみられ、この期間中、3ヶ月以上連続してチックが認められない機関は無い。

慢性運動性または音声チック障害
慢性化した運動性または音声チックのどちらか一方があり、同時には出現しない。

チック出現の期間はトウレット障害と同じ。

一過性チック障害
単独もしくは複数の運動性チック、あるいは音声チック、あるいはその両方が存在する。

一日に何度も起こり、それが少なくとも4週間続くが12ヶ月以上にわたることはない。

病態生理(文献2より)
トウレット症候群(TS)にhaloperidolをはじめとするドパミン2receptor拮抗作用の強い薬物が有効である
中枢刺激薬やL-dopaなどのドパミンの活性を上げる薬物で症状の悪化がみられる

clonidineが有効からノルアドレナリンがTSの病態にかかわっていると考えられる

大脳基底核を含んだ皮質ー線条体ー視床ー皮質回路上の以上が想定されている

臨床症状(文献2より)
緊張の増加時
強い緊張が解けたとき
楽しいことで興奮したとき
症状が増加する傾向がある

集中しているとき
精神的に安定しているとき
症状が減少する傾向がある。

疲労でしばしば憎悪
睡眠中は殆んどみられない

トウレット症候群(TS)の30%にOCDを合併
TSの50%以上にADHDを伴う

ADHDの10%以上にチックを伴う


治療方針(文献2より)
支持的な雰囲気の中で行われる家族ガイダンス
心理教育
環境調整

対症療法としての薬物


参考文献
1標準小児科学 第四版 
2チック障害 高橋礼花 小児内科 Vol38 増刊号 2006
3心の病気…いろいろ http://www.ops.dti.ne.jp/~iwh/kokoro/byoki.htm#chic
4Tourette症候群(Syndrome) http://www.netwave.or.jp/~zenke/tourette.htm
5トゥレット(チック症)と共に トゥレット症候群とは http://idomov2.netfarm.ne.jp/~bd001906/newpage2.htm
6トゥレット症候群の脳画像研究 http://www.geocities.jp/yuuki21c/mri.html
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