発達性言語障害2008.7.〜2014.11追記(DSM,ICD対比表)



定義・概念(文献1から)


聴力障害
知能障害
脳炎
脳血管障害
てんかん失語症症候群
etc
自閉症
著しい刺激剥奪環境

上記のような既知の原因状態が無いにもかかわらず
言葉が遅れているものが発達性言語障害とされる

医学領域では
表出性言語障害と
混合性受容性ー表出性言語障害が該当する

病態生理(文献1から)

表出性言語障害は成人の運動性失語症に相当するという
混合性受容性ー表出性言語障害は感覚性失語症に相当するという

運動性言語中枢(Broca中枢)
感覚性言語中枢(Wernicke中枢)の部位の問題と関連することが示唆されるが、実際には不明


臨床症状など

表出性言語障害の基本状態は、話された言葉の理解はよいが話すことが遅れる
始語の遅れ
乏しい語彙数
言葉を思い出せない
話す文が短い
簡単な文しか作れない
文で単語の省略、語順の混乱

並存
音韻障害(機能性構音障害)
速話症
発達性書字障害(学習障害)
発達性協調運動障害
遺尿


混合性受容性ー表出性言語障害は、話された言葉の理解も悪く、言葉も遅れる
表出性言語障害に加えて
話された言葉の意味がわからない
特定の単語(例えば、空間に関する語彙など)の意味がわからない
複雑な構文での話が理解できない
など

話された言葉の音節が聞き分けられない
話された言葉の復唱ができない
など
話言葉の音の弁別がうまくできていないことをうかがわせる

並存症
音韻障害
学習障害
発達性協調運動障害
注意欠陥/多動性障害
遺尿
など

男女比 2〜3:1

表出性言語障害の多くは学齢期までには日常会話は支障なくできるようになる
混合性受容性ー表出性言語障害でも、日常会話レベルは大きな問題がない段階まで発達するものが多いが、同じ知能レベルであれば、表出性言語障害に比べて発達レベルが低めになりやすいとされる

DSM−W,1994の診断基準簡略に抜粋

1.表出性言語障害
A.非言語性のコミュニケーション能力と言語理解に比べて、言語表出能力が著しく低い
B.学習や社会的コミュニケーションなどが障害される
C.混合性受容性ー表出性言語障害や広汎性発達障害に該当しない
D.知的発達障害、構音運動の障害、感覚障害、劣悪環境がある場合、そうした状況に伴う言語障害よりも程度が著しい

2.混合性受容性ー表出性言語障害
A.標準化された方法で評価された言語理解能力と言語表出能力が、非言語性知的能力に比べて著しく低い。
表出性言語障害の症状のほかに、単語文章、空間認知に関する用語などのような特別な単語の理解困難を示す
B.言語理解力と表出力の障害により、学習や職業の課題遂行度や社会的コミュニケーションが著しく障害されている。
C.広汎性発達障害ではない
D.知的発達障害、構音運動の障害、感覚障害、劣悪環境がある場合、そうした状況に伴う言語障害よりも程度が著しい



参考文献
1発達性言語障害 宮本信也 小児内科Vol38 増刊号 2006
2 ICD-10精神および行動の障害 新訂版 医学書院
3 DSM-W-TR 精神疾患の分類と診断の手引 新訂版 医学書院
4 DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引 医学書院
                                            


発達性言語障害
ことばが遅れている。発語の遅れ。言語発達遅延。
平均の発語時期をみると、およそ2mアー、ウアー、9m喃語、1y2語、1y7m3つのものの名前、2yニ語文、おいしいねなどの表現、2y5m自分の姓名、2y10mニ語文の復唱、3,3m友達と会話、3y10m両親の姓名、住所
言語理解は、11mバイバイに反応、1yおいで、頂戴、ねんねを理解、1y8m目、口、耳、手、足の指示。2y2m鼻、髪、歯、舌、へそ、を指示。2y5m大きい小さいがわかる。2y8m長い短いがわかる。2y10m赤青黄緑がわかる。等
DSM-W=TR DSM5
通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害 神経発達障害群
コミュニケーション障害 コミュニケーション障害群
表出性言語障害 受容ー表出混合性言語障害 音韻障害(発達性構音障害) 吃音 特定不能 言語障害 語音障害 吃音 社会的コミュニケーション障害 特定不能
話す、書く、などでの言語理解、言語算出の欠陥による欠陥
知的能力障害または全般的発達遅延によってはうまく説明されない

ICD-10

心理的発達の障害
F80 会話および言語の特異的発達障害
F80.0 特異的会話構音障害
F80.1 表出性言語障害
F80.2 受容性言語障害
F80.3 てんかんに伴う後天性失語症
F80.8 他の会話および言語の発達障害
F80.9 特定不能



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